一般社団法人を設立する際、まず考えることの一つが「名称(名前)」です。
でも、どんな名前でも自由につけられるわけではなく、法律で決められたルールや注意点があります。
この記事では、名称を決めるときに知っておくべきポイントと、名前を決める前にやっておきたい調査方法をわかりやすく解説します。
1. 名称を決める際の基本ルール
一般社団法人の名称は、法人登記する際に必ず必要です。次のポイントに気をつけましょう。
(1)法人の種類を入れる義務
名称には必ず「一般社団法人」という文字を入れる必要があります。
頭に入れる場合
例:一般社団法人●●末尾に入れる場合
例:●●一般社団法人
どちらでも問題ありませんが、頭に付けるケースの方が多い印象です。
逆に「株式会社」や「一般財団法人」など、他の法人と誤認されるおそれがある文字は使えません。
(2)使える文字と使えない文字
使える文字は以下の通りです(一般社団法人等登記規則3条ほか)。
ひらがな・カタカナ・漢字
ローマ字(大文字・小文字OK)
アラビア数字
一部の記号(&、’、,、‐、.、・)
ただし日本文字を含む字句の区切りとしてのみ使えます
ピリオド「.」だけは、省略を表す場合に末尾に付けることも可能
スペースは原則NGですが、ローマ字で複数の単語を区切る場合のみ使えます。
また、登記上はすべて全角で登録され、半角は使えません。
(3)同じ住所で同じ名前はNG
登記ができるかどうかという観点からすると、同一住所でない限りは同一名称の登記は可能です(ただし後述のリスクあり)。
2. 名称を決める前にやるべき「調査」
同じ住所でなければ登記はできても、他の法人と同じ名前や、紛らわしい名前にするとトラブルになる可能性があります。
例えば、不正競争防止法などを根拠に
名称の使用差し止め
損害賠償請求
といったリスクがあるので、最終決定する前に必ず調査しておくのが安心です。
どこで調べる?
おすすめは、国税庁の法人番号公表サイトです。
住所から細かい法人情報を検索できる
近隣の法人名もチェックできる
登録不要・無料で使える
設立予定の住所周辺に似た名前の法人がないか、事前に検索しておきましょう。
まとめ|名称は自由に決められるけど、最低限の確認は必須!
「一般社団法人」の文字は必須
使える文字・記号に制限がある
同一住所に同じ名前はNG
類似名称によるトラブル防止のため、事前調査が重要
法人の名前は、後から変更すると定款変更や登記手続きが必要になり、余計な手間と費用がかかります。
最初にしっかり調査して、安心して使える名称を決めましょう。
不安がある場合は、是非司法書士への設立手続きのサポート依頼をご検討ください。
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