最近は縁あって株式会社や合同会社の設立件数に勝るとも劣らない程、一般社団法人設立に関するご依頼が増えてきました。
会社とは少し毛色の違う一般社団法人について、手軽に読んでいただけるコラムの連載をしながら読者の方に理解を深めていただければと思います。
今回は、「一般社団法人を設立するのに最低限必要な人数」についてのご紹介です。
結論からお伝えしますと、一般社団法人の設立をするには最低でも二人の人が必要になります。(一人でも始められる株式会社や合同会社とは要件が異なりますね。)
その内訳について、ご紹介します。
一般社団法人を始めるにあたって絶対になければならない機関は次の2つだけです。
1.社員総会
2.(代表)理事
上記の社員総会は株式会社でいうところの「株主総会」にあたり、(代表)理事は株式会社でいうところの「(代表)取締役」にあたります。
つまり、法人の特に大切なこと(定款の変更、役員の選任・解任、計算書類の承認、合併の承認、解散の決定等々)は全て社員総会の決議によって決めます。
また、株式会社の株主総会が株主によって組織されるように、一般社団法人の社員総会は社員によって組織されます。
ですから、社員とは株主みたいなものなんだなと思って下さい。(ただし、株式会社の株主になるには会社への出資が要件になりますが、一般社団法人の社員になるには出資という要件はありません。)
そして、株式会社の手となり足となり運営をするのが(代表)取締役であるように、実際に一般社団法人の手となり足となり運営をするのは(代表)理事です。
株式会社の株主が登記簿に記載されず取締役が登記簿に記載されるのと同じで、一般社団法人の社員は登記簿に記載されず理事は登記簿に記載されます。
こんな感じで株式会社と一般社団法人は構成がかなり似ている部分も非常に多いのですが、
次の点は株式会社と一般社団法人で決定的に異なります。
株式会社は一人で設立が可能!(一人株主=一人代表取締役での設立が可能)
これに対して、
一般社団法人は、設立するのに最低2人必要!(設立に際して社員が必ず二人以上必要です。理事は一人でもOK)
社員が理事を兼ねることができ、理事が一人でもOKという点は、株式会社と変わらないのですが、株式会社の設立時株主(発起人といいます)が一人でもOKなのに対して、一般社団法人の設立時社員は必ず二人以上必要になります。
これは、類似法人の一般財団法人が「財産の集まり」なのに対して、一般社団法人は「人の集まり」だからなのかなあと思っています。
因みに設立後に社団の社員が一人になってもそれによって法人が解散してしまうことはありません。(社員が0人になってしまうと、法人は解散になります。)
ですから、
設立の時だけ便宜近しい親族に設立時社員になってもらって設立直後に社員をやめてもらうという方法を取ることも少なくありません。
「なんでそんなことするの?」と思われるかも知れませんが、社員が二人いる状態というのは、法人の決定権を半分は人に握られてしまっている状態ということです。
株式会社で考えると、会社の発行している100株の株式のうち、50株を自分以外の人が持っている状態です。
つまり、その人が賛同してくれないと法人の大切な決定を何もできません。
法人を運営していく中でその人と仲違いなんかしてしまったら、大変ですよね。
だから、設立直後にその人に社員をやめてもらって実際は自分一人でなんでも決められるような状態にしておくのです。
まとめ
一般社団法人を設立するには最低でも社員総会と(代表)理事が必要
社員総会は株式会社の株主総会、(代表)理事は株式会社の(代表)取締役
社員と(代表)理事の兼任は可能
理事は一人でもOKだけど、設立時の社員は二人以上必要
法人設立後は、社員は一人になってもOK!(後々のリスク回避の為に便宜近しい人に設立時社員になってもらって、設立と同時に社員をやめてもらった方が無難かも…?)
今後も一般社団法人についてのコラムを連載しますので、一般社団法人を運営中の方や設立を検討中の方は是非見に来てください!